歴史と素材から見た日本画とは【画家が解説】
2023/12/02
日本画って何?
皆様日本画と聞いて何が思い浮かびますか?
浮世絵でしょうか?それとも水彩画でしょうか?
答えはどちらも違います。
今回の投稿では、
「日本画」を素材面からと歴史の面から
解説してみます。
【素材】日本画の画材とは
日本画はまず絵の具や接着剤などの画材が違います。
都内であれば、上野あたり(東京芸大があるから)に
日本画の専門店があります。どこも小さなお店です。
要するに、通常の画材屋では
基本日本画の絵の具や素材は取り扱ってない事が多いです。
価格から見た日本画の絵具
そして日本画の専門店に行くと、以下みたいな光景が見れます。
「きれい~!」と思った方もいるかもしれません。
で、何が言いたいかと言うと、
日本画の絵の具は「量り売り」です。
15g=1両
と言う単位で売られています。
なので特定の瓶詰めされた絵の具の瓶を持って
レジに行って
「これ3両ください」
「これ100gください」
みたいな感じで購入します。
そしてまた結構なお値段がします。
以下参照。値段に注目を。
特に原色系、その中でも特に青系がいい値段がします。
だってモノによってはラピスラズリとかを絵具にしてるから。
宝石かよ、とか最初知った時自分は思いました。
1両で1万以上します。手も足も出ません。
使用方法から見た日本画の絵具
そして皆、日本画の絵具は顔料のまんま売ってます。
使う際に「膠」と言われる接着剤と混ぜて、
水を適量加えてから
ようやく塗る事が出来るのです。
ついでに書くと、
膠は塊で売ってるので
水と混ぜて湯煎する必要があります。
しかも腐るから、
使う都度冷蔵庫で保管して使うのです。
冷蔵庫で冷やすとゼラチンが入ってるため
固まるから使うたびに湯煎する必要があります。
あぁ面倒くさい。
随分昔、ネット創世記の頃、
今は無き掲示板で
「膠面倒くせぇ~!」ってボヤいてたら
「早川くん、アートグルー使えば?」と
とある先輩画家に指摘され、
それ以外膠の代用品で、
かつ腐らない、
湯煎する必要も無い
アートグルーと言う接着剤を使用しています。
あぁ便利。
なぜ日本画の絵具を使うのか?
ここまで文句ばかり垂れて、
どうして日本画の絵具を使ってるんだい?と
思った方もいると思います。
答えは簡単。
独特の風合いがあるのです。
油絵がギラッとした彩度の高いテカリのある質感だとすれば、
日本画の素材はマットでざらざらした質感です。
単に絵具の質が気にいってるのですね。
高くて面倒臭いけど。
歴史から見た日本画
またしても皆様に質問です。
「日本画」と言う文言はいつ出来たかご存知ですか?
答えは明治時代です。
明治維新により鎖国から抜け出し、
西洋の文化が入ってきた際に
油絵も入ってきました。
しかしそうなると
それまであった日本古来の素材や画風を
どう名付ければいいだろう?となり、
「日本画」と言う文言が産まれました。
要するに、言葉云々は抜きにして、
元々日本に昔からあった
画材や技法を用いて描かれてきた
平面の美術作品を「日本画」と言うのだ、
と言う解釈で問題ありません。
様々な諸外国からの影響
そして様々な生活習慣同様、
日本画も様々な諸外国の影響を
もろに受けています。
江戸以前で言えば、
中国の影響は無視出来ません。
そして明治維新後は
西洋、すなわち油絵や
今であれば現代アートの影響を
強く受けています。
同じ「日本画」と言っても
時代によって描かれるタッチや世界観は
微妙に確実に変わってきてるのです。
具体的に書くと
元でも長い文面がより長くなるので割愛。
そのうち気が向いたら追記で投稿します。
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本日はここまで。
また次回。